埴輪の女性の髪型について |
こちら。
目が慣れてくると とても良くできた埴輪なのがわかるハズ、
画像はブレブレですが、とってもかわいらしく品のいい女性像です。
で、今日は 女性埴輪の髪型 の話です。
この巫女の埴輪に限らず、埴輪の女性の髪形の多くは、
こんな感じで、頭に板を載せたようなものになっています。
で、これは「古墳島田」と呼ばれる結い髪で、
日本の結い髪の元になっているのでは…?と言われています。
この、頭の上の板のようなものは、結った髪なんだそうで。
「古墳島田」の「島田」は、
浮世絵や時代劇などに登場する、
おなじみの女性の髪形「島田髷」の「島田」。
結婚式での和装時の高島田なんかもおんなじ仲間です。
…なんですが、私はこれには疑問を持っています。
美的感覚からの視点はこの際置いておいても、
毎日横になって寝るのに、こんな髪型結うか?
毎日毎日このめんどくさそうな髪型に仕上げるわけ?
今の感覚ならそんなのもアリでしょうが、
ある程度の大きな都市を形成するくらいまで文化が成熟した後ならともかく、
途上国の村なんかを観察してる限りで考えると、
現実問題としてありえません。
私は、これ、髪をひっつめて結った上に
布を載せてるんじゃないかと思っています。
こんな感じです。
これとか、
これとか。
横から見ると、こんな感じ。
三つ編みにした髪で布を押さえます。
画像は全部、中国四川省の山奥です。
布には美しい刺繍が施されていますが、
同じく四川省でも刺繍をしてないスタイルもあります。
布を頭に載せる習俗は、四川省だけではありません。
こちらは東南アジアに近い中国雲南省の山奥。
四川省エリアの画像では、髪は三つ編みでまとめられていましたが、
この雲南省の、髪の存在を感じさせない感じのまとめ方なんか、
埴輪のそれに近いのではないかと思います。
そしてこちらは甘粛省の山奥。
こちらの布の感じは、埴輪の板状に見える感じに近いように思います。
無地の黒の布を模様の入った帯で押さえています。
これらの3つのエリアは、遠く離れています。
参考までに地図載せておきます。
周りの国の大きさなどから、その離れ具合が分かるかと思います。
画像のエリアは、どこも山奥深くで、
最近まで他からの文化もほとんど入ることなく隔絶してたんだろうな、
というようなところなので、
古い時代の習俗がそのまま残っているんだと思います。
髪を詰めて結ってその上から布を載せる というスタイルなら、
当時の生活内容を想像するに、現実的だと思うんですよね。
(髪そのものについては、
なんか頭頂を残して剃ってるようにも見えるですが、よくわかりません)
頭に布を載せて、それを帯などのひも状のものか地毛で押さえた姿。
結い髪がなかったとは言いませんが、
「古墳島田」で片付けられている古代の髪型の中には、
こうした布載せスタイルもあったんじゃないかな と思うわけです。
※ エントリー中の民族衣装画像、みなさんいい表情なので、
本当はモザイク入れたくないんですが、
画像を見せるためのエントリーではなく、
あくまでも例示としての掲載なので、モザイクにしました。
別の方のブログでは、そのうち(当分先だと思いますがw)
その地方の1コマ としてモザイクなしで紹介すると思います。
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