2013年 11月 01日
稲荷の由来 の補足 |
先のエントリー 稲荷 の由来 の補足を少し。
「稲荷(イナリ)」の由来は「稲置(イナキ・イナギ)」、と書きました。
村の有力者が集落で収穫した米を管理した、
その集めた米のある場所がもともとは「稲置」で、
転じて、その米を管理する有力者の名称、
またはその米倉のあった有力者の居所が「稲置」と呼ばれるようになった、
また、その場所は集落の重要地ということで稲城(イナキ)を築いて守られていた、
そこから「イナキ」と呼ばれるようになって、
米の保管場所という役割から当てた字が「稲置」だった、
時代と共に、稲置が役職名になって、さらに、そうした役職がなくなってからも、
集落では、稲を管理した場所または人を「イナリ」と呼び続けた、
そんな感じのことを書きました。詳しくは先のエントリーをご覧下さい。
前回書き忘れたので、少し補足します。
集落で収穫した米を収めた倉は、ただの無機質な倉ではなく、
その米に対しての神様がお祀りされていたと思います。
具体的にどんな神様をお祀りしていたかはわかりませんが、
収穫した米を守ってくださいの願いから 米を守ってくれる神様、
無事収穫できましたの感謝の気持ちから 米の実りを与えてくれる神様、
こんな性格の神様でしょうか。
米を集めて保管した場所「稲置(イナキ・イナギ)」が
「稲荷(イナリ)」の語源の由来である一方で、
現在に至る稲荷信仰でお祀りされている神様についての由来は、
この米倉にお祀りされていた神様ではないか、と思っています。
そうして、かつては稲置の米倉にお祀りされていた神様は、
「稲置」という役割が集落からなくなって以降も、
米や収穫に関する神様として「イナギ」の名称と共に、集落(農村)で信仰され続けていった
こんな流れなのではないでしょうか。
稲荷信仰でお祀りされている神様が「イナリ」ではなく
「ウカノミタマ」であり「倉稲魂」と表記されるのも、
そうしたかつての姿を伝えているように思います。
(「ウカノミタマ」にはその他「稲魂」「宇迦御魂」の表記あり)
現在でも、家に神棚を置いて神様をお祀りして家を守ってもらったり、
カマドの神様をお祀りしたりするのは、よく目にします。
また、新嘗祭や秋祭りなど、収穫を祝うお祭りは今も続いています。
八百万の神々を作り出した古代日本においてはなおのこと、
集落の大切な米を置く場所に、米や収穫に関する神様が祭られていた、
と考えるのが自然であり、
それが、お稲荷さんとして現在まで信仰される神様の原型と思われます。
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by sayumaratata
| 2013-11-01 23:30